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  • 西アフリカ川エビ(マクロブラキウム・ボレンホフェニイ)およびアメリカゴキブリ(ペリプラネータ・アメリカーナ)からの改良法によるキトサン抽出・特性化:バイオテクノロジーの応用
    出典:
    PloS one. 2026;21(5):e0349133
    DOI:
    10.1371/journal.pone.0349133
    要旨
    キトサンは、甲殻類、昆虫、その他の節足動物の外殻および外骨格に豊富に存在する構造多糖であるキチンの脱アセチル化によって得られる天然バイオポリマーである。その独特の物理化学的性質により、生物医学、医療用、農業、産業分野での広範な応用が実現されている。ナイジェリアでは、豊富な淡水甲殻類および昆虫がキトサン源として十分に活用されていない状況にある。筆者らの研究では、改良された化学抽出プロセスを用いて、西アフリカ川エビ(Macrobrachium vollenhovenii)およびアメリカゴキブリ(Periplaneta americana)をキトサンの地元供給源としての可能性を評価した。外骨格材料に対し前処理、脱灰、除タンパクを施した後、オートクレーブ補助アルカリ脱アセチル化(50%水酸化ナトリウム、121℃、15 psi、30分)を実施した。得られたキチン収率はエビで29.53%、ゴキブリで17.78%であり、キトサン収率はそれぞれ28.13%および11.56%であった。フーリエ変換赤外分光法により、両供給源で得られたキトサンの特性官能基が確認され、脱アセチル化度(DD)はエビ由来キトサンで68.79%、ゴキブリ由来キトサンで81.21%であることが認められ、これは N-アセチル D-グルコサミンから D-グルコサミンへの有効な変換を示すものであった。これらの知見から、両種とも持続可能なキトサン製造のための実行可能な代替供給源であること、ならびに加圧脱アセチル化プロセスが収率およびポリマー品質を向上させることが示された。本アプローチは、ナイジェリアでの持続可能なキトサン抽出のためのスケーラブルで再現可能な戦略を提供し、生物工学、医療、産業における潜在的応用を支援するものである。
  • 英国におけるグルコサミン使用とアルブミン尿の関連性:コホート研究およびメンデルランダム化研究
    出典:
    BMJ Open. 2025 Nov 21;15(11):e096344
    DOI:
    10.1136/bmjopen-2024-096344
    要旨
    グルコサミンは一般用医薬品として広く使用されている栄養補助食品であり、これまでの研究から、いくつかの良好な健康アウトカムとの関連が報告されてきた。
    しかし、そうした関連を説明し得る生物学的機序は十分に解明されておらず、因果関係については不明な点が残されている。
    その仮説の一つとして、グルコサミンが血管内皮機能を保護する可能性が指摘されている。
    アルブミン尿は腎臓における血管内皮機能障害の早期指標であり、腎機能低下の進行や心血管疾患の有害転帰と関連することが知られている。
    こうした背景のもと、英国の大規模疫学データベースであるUK Biobank(436,200人)を用い、グルコサミン使用とアルブミン尿との関連について検討が行われた。
    解析では、自己申告によるグルコサミン使用と、尿アルブミン・クレアチニン比(uACR)のカテゴリーとの関連を評価するため、単変量および多変量の順序ロジスティック回帰分析が実施された。
    さらに副次解析として、現在利用可能なデータを用いた因果推論の限界を示す目的で、UK BiobankおよびCKDGen(計67,452人)の要約遺伝子データを用いたメンデルランダム化(Mendelian randomisation:MR)解析が行われた。
    その結果、グルコサミン使用者は、非使用者と比較してuACRが低いカテゴリーに分類される可能性が高いことが示された(オッズ比0.81、95%信頼区間0.80~0.83、p<2.2×10⁻¹⁶)。
    この関連は感度解析においても一貫して認められ、年齢、性別、肥満指標で調整後も維持されていた。
    一方、MR解析では、遺伝的に推定されたグルコサミン使用とアルブミン尿との間に明確な関連は認められず、遺伝的負荷の標準偏差あたりのlog uACR変化は1.11(95%信頼区間 −3.01~5.23、p=0.60)であった。
    これらの結果から、UK Biobank参加者においてアルブミン尿は比較的高頻度に認められ、その中でグルコサミン補助食品の使用が低いアルブミン尿レベルと関連していることが初めて示されたと筆者らは報告している。
    この所見は、血管内皮を介したグルコサミンの潜在的保護作用という生物学的仮説と整合的である一方で、その関係が因果的なものか、あるいは交絡因子によるものかは依然として明らかではない。
    また、サプリメント使用を遺伝的指標で代替するMR解析の限界が指摘されており、循環血中グルコサミン濃度を直接測定した全ゲノム関連解析の必要性が強調されている。
  • N-アセチルグルコサミン単独およびプレドニゾロンとの併用によるデュシェンヌ型筋ジストロフィーマウスモデルの自発運動の改善
    出典:
    FASEB J. 2025 Sep 30;39(18):e71013
    DOI:
    10.1096/fj.202500196R
    要旨
    N-アセチルグルコサミンは体内にも存在する化合物であり、その細胞内濃度は、アセチルラクトサミンを多く含むN結合型オリゴ糖の生合成と密接に関連している。
    これらのオリゴ糖は、哺乳類レクチンであるガレクチン3と相互作用し、細胞表面受容体の動態制御や、細胞間および細胞‐細胞外マトリックス間相互作用の調節に関与するとされている。
    筆者らのこれまでの研究では、N-アセチルグルコサミンがガレクチン3と協調して作用することで、培養系における筋再生を促進する可能性が示唆されてきた。
    また、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)のマウスモデルであるmdxマウスに対し、N-アセチルグルコサミンを腹腔内投与することで筋力が改善したことも報告されている。
    今回の研究では、N-アセチルグルコサミンを経口投与した場合にも、mdxマウスの自発的運動量が有意に改善することが示されたと筆者らは述べている。
    米国薬局方規格のN-アセチルグルコサミンを体重1kgあたり0.6、1.2、1.8、2.4gの用量で35日間毎日投与したところ、夜間の自発的運動量がいずれの用量でも有意に増加し、とくに1.2g/kg体重の投与量では、長趾伸筋における筋損傷が約50%低減したことが確認されたという。
    この1.2g/kg体重の投与量は、ヒト換算で0.144g/kg体重に相当するとされている。
    一方、水平および下り坂トレッドミル走行といった連続的な強制運動を負荷すると、N-アセチルグルコサミンによる改善効果は減弱したが、それでも0.6および1.2g/kg体重を投与されたマウスでは、反復的な遠心性収縮による筋損傷に対する保護効果は認められなかったものの、全体としての自発的運動量は増加したと報告されている。
    これらの結果から、N-アセチルグルコサミンは筋損傷を直接防ぐ作用とは異なる機序を通じて、筋の全体的な健康状態を改善している可能性が示唆されたと筆者らは考察している。
    その背景として、培養系での筋形成(ミオジェネシス)研究で示唆されているように、筋修復や筋再生の促進が関与している可能性が挙げられている。
    さらに注目すべき点として、DMD患者に一般的に処方される副腎皮質ステロイドであるプレドニゾロンとN-アセチルグルコサミンを併用投与した場合、プレドニゾロン単独投与と比較して、mdxマウスの自発的運動量の改善がより顕著であったと報告されている。
    これらの知見から、N-アセチルグルコサミンは単独療法として、あるいはステロイド治療との併用によって、DMD患者の臨床状態を改善する可能性があると筆者らは述べている。
  • 定期的なグルコサミン補給と加齢に伴う慢性疾患のリスク:傾向スコア一致コホート研究からの証拠
    出典:
    Aging Clin Exp Res. 2025 Aug 29;37(1):259
    DOI:
    10.1007/s40520-025-03171-9
    要旨
    グルコサミンは関節の健康を目的として中高年を中心に広く利用されているサプリメントであるが、慢性疾患の予防との関連については十分に明らかになっていない。
    この研究では、英国の大規模前向きコホートであるUK Biobankに登録された参加者のうち、ベースライン時点で非感染性疾患(NCDs)を有していなかった269,033人を対象に、グルコサミンの定期的な摂取と加齢関連NCDsの発症リスクとの関連が検討された。
    解析では、グルコサミン使用者と非使用者を1対1で対応させる傾向スコアマッチング(propensity-score matching, PSM)が用いられ、その後、Cox比例ハザードモデルによりハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)が算出された。
    中央値13.8年の追跡期間中、52,556人がグルコサミンを定期的に使用していると報告しており、PSM後には使用者52,525人と非使用者52,525人が解析対象となった。
    多重検定による偽発見率補正後、グルコサミンの定期的な使用は、食道がん(HR 0.73、95%CI 0.58–0.92)、痛風(HR 0.81、95%CI 0.72–0.91)、慢性閉塞性肺疾患(HR 0.86、95%CI 0.80–0.93)、大腸がん(HR 0.86、95%CI 0.78–0.94)、慢性肝疾患(HR 0.87、95%CI 0.80–0.94)、心不全(HR 0.88、95%CI 0.81–0.96)、冠動脈性心疾患(HR 0.92、95%CI 0.88–0.96)の7つのNCDsについて、発症リスクが有意に低いことと関連していたと筆者らは報告している。
    これらの結果から、グルコサミンの定期的な摂取が複数の加齢関連慢性疾患のリスク低下と関連する可能性が示唆されたが、因果関係の確認や健康的な加齢を支える役割を明らかにするためには、さらなる研究が必要であると筆者らは述べている。
  • グルコサミンおよび/またはコンドロイチンのヒトにおける安全性と有効性:系統的レビュー
    出典:
    Nutrients. 2025 Jun 24;17(13):2093
    DOI:
    10.3390/nu17132093
    要旨
    グルコサミンおよびコンドロイチンは、関節に影響を及ぼす疾患に対して、単独または併用で用いられることの多い天然由来物質である。
    筆者らの目的は、ヒトを対象としたグルコサミンおよび/またはコンドロイチン補充の有効性および安全性を評価するとともに、一般的に用いられている投与量を明らかにすることであったと述べられている。
    本研究では、PRISMAガイドラインに基づくシステマティックレビューが実施され、PubMedおよびWeb of Scienceにおいて文献検索が行われた。
    抽出された文献はCovidenceに取り込まれ、2名の独立した研究者により、事前に定められた選択基準および除外基準に基づいてレビューが行われた。
    研究の質評価にはMixed Methods Appraisal Tool(MMAT)が用いられた。
    2013本の文献がスクリーニングされ、そのうち146研究が本レビューに含められたと報告されている。
    含まれた研究の約60%はランダム化比較試験であり、実施地域は主としてヨーロッパ、アジア、または米国であった。
    研究の大部分は変形性関節症および関節痛を対象としており、有効性を検討した研究の90%以上で肯定的な結果が報告され、安全性を評価した研究の多くでは有害事象が最小限、もしくは認められなかったとされている。
    グルコサミンおよびコンドロイチンは併用されることが最も多く、1日あたりの投与量はそれぞれ1500 mgおよび1200 mgであり、プラセボまたはセレコキシブと比較されることが多かったと述べられている。
    以上のエビデンスから、グルコサミンおよびコンドロイチンは、とくに変形性関節症や関節痛の管理において、概して有効かつ忍容性が高いことが示唆されたと筆者らは述べている。
    また、多様な研究において一貫した投与戦略および良好な安全性プロファイルが確認されていることから、臨床実践における継続的な使用が支持される一方で、他の疾患状態に関してはさらなる研究が必要であると結論づけられている。