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遺伝的に決定されたグルコサミン補給と認知機能およびサルコペニアとの因果関係:メンデルランダム化研究

著作名:
出典:
Front Endocrinol (Lausanne). 2024 Dec 23:15:1404308
DOI:
10.3389/fendo.2024.1404308
キーワード:
認知機能, ヒト試験, サルコペニア, 関節, ゲノム解析
要旨:
加齢に伴う認知機能低下およびサルコペニアとグルコサミンとの間に負の関連が存在することを示すエビデンスが報告されている一方で、その因果関係については依然として不明確であると筆者らは述べている。
本論文では、グルコサミンが認知機能およびサルコペニアと因果的に関連しているかどうかを検証することを目的として解析が行われたとされている。
方法として、MRC-IEUコンソーシアムからグルコサミン使用と関連する48の遺伝的変異が抽出され、加えて認知機能の代理指標として認知パフォーマンスおよび流動性知能スコア(fluid intelligence score:FIS)、ならびにサルコペニア関連指標として四肢除脂肪量(appendicular lean mass:ALM)、全身除脂肪量(whole body fat-free mass:WBFM)、握力低下、顔面老化(facial aging:FA)、中強度から高強度の身体活動レベル、通常歩行速度、DNAメチル化GrimAge加速が、大規模な公開ゲノムワイド関連解析(genome-wide association studies:GWAS)から収集されたと筆者らは記している。
まず、メンデルランダム化(Mendelian randomization:MR)解析が用いられ、グルコサミンが認知機能およびサルコペニア関連形質に及ぼす因果的影響が評価されたとされている。
続いて、二段階MRおよび多変量MR(multivariable MR:MVMR)が適用され、観察された関連に媒介因子が因果的に関与しているかどうかが検討された。
MR解析の結果、グルコサミンは認知パフォーマンス(p=8.46E-04)、FIS(p=7.50E-04)、ALM(p=6.45E-08)、WBFM(p=1.97E-03)、通常歩行速度(p=2.55E-07)、中強度から高強度の身体活動レベル(p=3.29E-03)の増加と関連していることが示されており、一方でFAリスク(p=3.77E-05)およびDNAメチル化GrimAge加速(p=0.001)の低下とも関連していたと筆者らは報告している。
しかしながら、握力低下については、グルコサミンとの間に有意な因果的関連は認められなかったとされている。
多変量MR解析では、変形性関節症(osteoarthritis:OA)および体格指数(body mass index:BMI)を調整した後においても、グルコサミンは認知パフォーマンス、FIS、ALM、WBFM、通常歩行速度、中強度から高強度の身体活動レベルに対して有意な影響を保持していたことが示されており(p<0.05)、これらの関連が独立して存在する可能性が示唆されたと述べられている。
さらに、C反応性タンパク質(C-reactive protein:CRP)レベルが、グルコサミンとALM、WBFM、通常歩行速度、身体活動との関連を媒介している可能性が示されており(p<0.05)、また基礎代謝量(basal metabolic rate:BMR)が、グルコサミンと認知パフォーマンス、FIS、ALM、WBFM、通常歩行速度との関連を媒介している可能性が示唆されたと筆者らは述べている(p<0.05)。
以上の結果を総合すると、定期的なグルコサミン使用は認知機能を高め、必要な機能的能力を維持する観点からサルコペニアの進行を遅らせる可能性があり、グルコサミンが認知機能およびサルコペニアに及ぼす影響の一部は、BMRおよびCRPによる媒介作用に起因する可能性があると筆者らは結論づけている。