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  • 12週間のランダム化二重盲検プラセボ対照パイロット試験における軟骨サポート栄養補助食品の膝関節炎症状および生活の質への影響
    出典:
    Sci Rep. 2025 Jul 15;15(1):25625
    DOI:
    10.1038/s41598-025-11723-2
    要旨
    変形性関節症(osteoarthritis:OA)は、高齢者に多くみられる一般的な変性関節疾患であり、軟骨の変性および骨のリモデリングを特徴とし、疼痛、こわばり、運動機能障害を引き起こす。
    本研究は、軽度から中等度の膝痛を有する被験者を対象に、Ⅱ型コラーゲン、グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸塩を含有する製剤が膝OA症状の緩和に及ぼす有効性を検討するために実施された、12週間の無作為化二重盲検プラセボ対照パイロット試験である。
    合計54人が登録され、そのうち52人が試験を完了した。
    評価には、膝障害・変形性関節症アウトカムスコア(Knee injury and Osteoarthritis Outcome Score:KOOS)、パフォーマンスに基づく身体機能検査、ならびに全体評価テストが用いられた。
    その結果、有効成分投与群(verum群)はプラセボ群と比較して有意な改善を示したと筆者らは報告している。
    KOOSの下位尺度では、症状が8.16%(p<0.05)、スポーツ・レクリエーションが25.25%(p<0.01)、生活の質が27.66%(p<0.001)改善したとされている。
    こわばりについては、verum群において14.68%の改善が認められた(p<0.05)。
    疼痛については、両群ともに有意な軽減が認められ、KOOS疼痛スコアにおいてverum群ではp<0.001、プラセボ群ではp<0.01であったと述べられている。
    椅子立ち上がりテストなどのパフォーマンス指標は両群で有意に改善したが、他の評価指標では有意差は認められなかったとされている。
    経時的変化として、verum群では12週間にわたり線形的な改善が示された一方で、プラセボ群では初期反応の後に改善が頭打ちとなる傾向がみられたと筆者らは述べている。
    SF-36の身体的健康コンポーネントスコアは両群で改善した(p<0.05)が、精神的健康スコアには変化は認められなかった。
    全体評価ではverum群が優位であり、より多くの参加者がOA症状の改善を報告し、当該製品を推奨したとされている(p<0.01)。
    バイオマーカーである高感度C反応性タンパク質(hsCRP)および軟骨オリゴマトリックマトリックスタンパク質(COMP)には有意な変化は認められず、これはサンプルのばらつきによる可能性があると考察されている。
    本試験は主要評価項目を達成しなかったものの、当該栄養補助製剤は優れた安全性プロファイルを示し、患者報告アウトカムおよび生活の質において有望な改善が認められたことから、より大規模な検証試験が正当化されると筆者らは述べている。
  • グルコサミンおよび/またはコンドロイチンのヒトにおける安全性と有効性:系統的レビュー
    出典:
    Nutrients. 2025 Jun 24;17(13):2093
    DOI:
    10.3390/nu17132093
    要旨
    グルコサミンおよびコンドロイチンは、関節に影響を及ぼす疾患に対して、単独または併用で用いられることの多い天然由来物質である。
    筆者らの目的は、ヒトを対象としたグルコサミンおよび/またはコンドロイチン補充の有効性および安全性を評価するとともに、一般的に用いられている投与量を明らかにすることであったと述べられている。
    本研究では、PRISMAガイドラインに基づくシステマティックレビューが実施され、PubMedおよびWeb of Scienceにおいて文献検索が行われた。
    抽出された文献はCovidenceに取り込まれ、2名の独立した研究者により、事前に定められた選択基準および除外基準に基づいてレビューが行われた。
    研究の質評価にはMixed Methods Appraisal Tool(MMAT)が用いられた。
    2013本の文献がスクリーニングされ、そのうち146研究が本レビューに含められたと報告されている。
    含まれた研究の約60%はランダム化比較試験であり、実施地域は主としてヨーロッパ、アジア、または米国であった。
    研究の大部分は変形性関節症および関節痛を対象としており、有効性を検討した研究の90%以上で肯定的な結果が報告され、安全性を評価した研究の多くでは有害事象が最小限、もしくは認められなかったとされている。
    グルコサミンおよびコンドロイチンは併用されることが最も多く、1日あたりの投与量はそれぞれ1500 mgおよび1200 mgであり、プラセボまたはセレコキシブと比較されることが多かったと述べられている。
    以上のエビデンスから、グルコサミンおよびコンドロイチンは、とくに変形性関節症や関節痛の管理において、概して有効かつ忍容性が高いことが示唆されたと筆者らは述べている。
    また、多様な研究において一貫した投与戦略および良好な安全性プロファイルが確認されていることから、臨床実践における継続的な使用が支持される一方で、他の疾患状態に関してはさらなる研究が必要であると結論づけられている。
  • 習慣的なグルコサミンの使用と敗血症のリスク:16年間の追跡調査
    出典:
    Crit Care Med. 2025 Oct 1;53(10):e1906-e1917
    DOI:
    10.1097/CCM.0000000000006742
    要旨
    グルコサミンは変形性関節症や関節痛の緩和に一般的に用いられているサプリメントであり、抗炎症作用および抗酸化作用を有することが広く知られているが、敗血症との関連についてはこれまで十分に解明されていなかった。
    本研究は、大規模コホートを用いて、習慣的なグルコサミン使用と敗血症発症リスク、ならびに敗血症発症後28日以内の死亡リスクとの関連を評価することを目的としたものである。
    本研究は、UK Biobankに登録された437,133人を対象とする、前向きに収集されたデータを用いた後ろ向きコホート研究として実施された。
    グルコサミン使用に関する情報は、ベースライン時に実施されたタッチスクリーン質問票を通じて収集された。
    習慣的なグルコサミン使用と敗血症発症リスクおよび敗血症後28日死亡リスクとの関連を評価するために、多変量Cox比例ハザードモデルが用いられ、ハザード比および95%信頼区間が算出された。
    追跡期間中央値13.6年の間に、13,458例の新規敗血症症例および敗血症発症後28日以内の死亡2,555例が同定された。
    多変量調整モデルにおいて、習慣的なグルコサミン使用は、敗血症発症リスクの低下(ハザード比0.87、95%信頼区間0.83~0.92)および敗血症後28日死亡リスクの低下(ハザード比0.79、95%信頼区間0.70~0.89)と関連していたと筆者らは報告している。
    これらの関連は、層別解析および感度解析においても一貫して認められたと述べられている。
    媒介分析の結果、敗血症発症との関連の1.2~7.0%、および敗血症後28日死亡との関連の2.8~5.4%が、C反応性タンパク質や全身性免疫炎症指数を含む炎症性バイオマーカーを介して媒介されていることが示されたと報告されており、いずれも統計学的に有意であった(すべてp<0.001)。
    以上の結果から、習慣的なグルコサミン使用は敗血症および敗血症後死亡リスクの低下と関連しており、これらの関連は炎症経路を介して部分的に説明され得る可能性があると筆者らは述べている。
  • グルコサミンは類洞血流と肝免疫応答の調節を介して肝線維症を緩和する
    出典:
    Biomed Pharmacother. 2025 Jul:188:118180
    DOI:
    10.1016/j.biopha.2025.118180
    要旨
    肝線維化は肝硬変の主要な前駆段階であり、慢性的な肝障害に起因して発生し、主としてコラーゲンを中心とする細胞外マトリックスタンパク質の過剰沈着を特徴とする。
    この線維性リモデリングは肝星細胞(hepatic stellate cells:HSCs)の活性化によって駆動され、特にマクロファージを中心とする多様な免疫細胞からの免疫応答の影響を受けるとされている。
    線維化の病態生理に関する理解は大きく進展してきたものの、現時点では有効な抗線維化治療法は存在しない。
    グルコサミン、関節の健康維持を目的として広く使用されているアミノ単糖系の栄養補助食品であり、肝臓以外の領域において抗炎症作用、免疫調節作用、ならびに抗線維化作用を示すことが報告されているが、肝線維化に対する影響についてはこれまで検討されていなかった。
    筆者らは、グルコサミンの経口投与が門脈圧亢進を軽減し、肝類洞血流を改善するとともに、免疫応答を調節することで肝星細胞の活性化を抑制し、肝線維化を有意に改善したと報告している。
    とくに、グルコサミンは線維化肝における血管恒常性の維持に重要な肝類洞内皮細胞の構造的完全性を保持したと述べられている。
    さらに、グルコサミンは主要な代謝経路を制御することにより、マクロファージのM0状態から炎症促進性のM1表現型および線維化促進性のM2表現型への分極を抑制したと筆者らは報告している。
    これらの知見から、グルコサミンは肝疾患における新たな応用可能性を有し、線維化進行の管理に対して有望かつ利用しやすいアプローチとなり得る可能性が示唆されたと筆者らは述べている。
  • 炎症性腸疾患患者におけるグルコサミンサプリメントの摂取と手術リスク低下:前向きコホート研究
    出典:
    Eur J Nutr. 2025 May 28;64(5):191
    DOI:
    10.1007/s00394-025-03705-x
    要旨
    グルコサミンは広く使用されている栄養補助食品であり、本研究は前向きコホート研究において、グルコサミン使用と炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)関連手術リスクとの関連を評価することを目的としたものである。
    本研究では、UK Biobankに登録されたIBD患者6,059人のデータが用いられ、グルコサミンの習慣的使用、使用頻度、および用量は、それぞれ自己申告記録、複数回の食事想起調査、ならびに一次医療データに基づく処方情報を用いて評価された。
    IBD関連手術は入院データを用いて特定され、関連性の検討にはCox比例ハザードモデルおよびロジスティック回帰モデルが適用された。
    平均12.2年の追跡期間中に、684件の新規IBD関連手術イベントが記録された。
    非使用者と比較して、グルコサミンの習慣的使用者ではIBD関連手術リスクが低下しており(66.6対97.1件/1万人年、ハザード比[HR]0.73、95%信頼区間[CI]0.58~0.92、p=0.009)、クローン病においてはリスク低下が認められた(80.6対131.0件/1万人年、HR 0.60、95%CI 0.41~0.89、p=0.011)と筆者らは報告している。
    一方で、潰瘍性大腸炎においては有意な関連は認められなかったとされている(61.1対79.5件/1万人年、HR 0.88、95%CI 0.65~1.18、P=0.386)。
    さらに、非使用者と比較して、時折使用する者(HR 0.34、95%CI 0.15~0.77、P=0.010)および継続的に使用する者(HR 0.48、95%CI 0.25~0.90、p=0.022)においても、IBD関連手術リスクの低下が認められたと述べられている。
    処方グルコサミンを使用していた者では、処方用量が高いほど関連手術リスクが低いことが示されており(オッズ比[OR]0.15、95%CI 0.02~0.86、p=0.034)、用量反応関係の可能性が示唆されたと筆者らは報告している。
    以上の結果から、安全な栄養補助食品であるグルコサミンの使用はIBD関連手術リスクの低下と関連しており、IBD管理における有望な戦略となり得る可能性が示唆されたと筆者らは述べている。